クリスマス特番 A Christmassy Ted

【ストーリー】
バーで働く女性とちょっとしたロマンスを夢みていたテッドはドゥーグルの「ピーナツどう?」の一言でブチ壊しになる。もう一度寝てロマンスの続きを楽しもうとするが、テッドをおいかけるのは巨大なピーナツのおばけであった。クリスマス・スペシャルの始まりだ。

牧師館はもうすぐクリスマスだ、と沸き立つ。クリスマスツリーをライトアップするテッド。あいかわらずボケるドゥーグルは毎日クリスマス用のカレンダーの窓を開くのが楽しみで仕方ない。クリスマスの飾り付けに忙しいミセス・ドイルは毎日のようにどこかから落下している。感慨にふけるテッドだが頭の悪いドゥーグルはそれがよく理解できない。ゴールデンクラリックアワードでも受賞して人がみんな自分に注目してくれるといいな、と思う。

町へクリスマスショッピングに出かける一行。それぞれのプレゼントを買うために各コーナーをまわる。家庭用品売り場でティーマスターという紅茶やコーヒーのヴェンディングマシーンの説明をし「これで紅茶を作る悲劇から解放されますよ」というセールスマンにげんなりするミセス・ドイル。一方のテッドとドゥーグルとミセス・ドイルには香水がいいかな、と婦人売り場をうろつくうちによい匂いに誘われ下着売り場に迷いこんでしまう。これは大変とパニクる二人。ところがその下着売り場は広大でどうしても脱出できない。そこでテッドたちは他の二人の牧師に出会う。彼らもここで迷ったという。彼らによればそれはアイルランドで最大の下着売り場なのだそうだ。一方のジャックはキッズコーナーで子供たちとたくさんのおもちゃに囲まれながらご機嫌なのであった。

テッドたちはさらにトイレに行くのに迷ったという4人の牧師とも遭遇し、下着売り場で迷った牧師は総勢8名になってしまった。これはナショナルスキャンダルだ。8人は脱出を試みるがどうしてもうまくいかない。なんとか一番退屈な声をしている牧師がニセのアナウンスをして女性たちを散らし、なんとかテッドたちは出口を確保して下着売り場を脱出をするのであった。

無事に牧師館に戻ってきたテッドたち。そこに電話がなりなんとテッドが今年のゴールデンクラリックをゲットすることになったという。

部屋の飾り付けにいそしむミセス・ドイルはあいかわらず部屋のあちこちから落下し、ドゥーグルはTVを観ながら(このPriest chat backのCMが爆笑)クリスマスカードを作りながらスパンコールだらけになっている。テッドはゴールデンクラリックのトロフィーを飾るケースを準備しウキウキだ。「私はいつでもあなたが一番素晴らしい牧師の一人だと思っていたわよ」というミセス・ドイルに「“一番素晴らしい牧師の一人”? 一番の牧師だろ?」と返すテッド。ミセス・ドイルは「うーん、2番目かしらね。とても貧しい地域で働く牧師さんたちもいるし」というとそれにつっかかり「一番じゃないのか」「どうせ俺はバカだし」と怒りだすテッドは牧師館を飛び出してしまう。せっかく飾りつけた部屋のクリスマスの飾りも落ちてミセス・ドイルは惨めな気持ちに。海岸を落ち込みながら歩くテッド。

テッドはPriest Chat Backの「悩める牧師はこちらへどうぞ」というTVCMを観て、さっそく電話をしてみることにするが、意味のないことを発見し落胆する。落ち込むテッドに、ドゥーグルが不在のテッドにかわってお葬式を担当したというミセス・ドイル。「ドゥーグルにやらせたのか!」とパニックのテッド。次のシーンは炎があがり車が事故っているセメタリーのシーンが。

夜になって「クリスマスで興奮して寝られないよ」と室内用の自転車を懸命にこぐドゥーグル。「そんなことしてちゃ寝られないよ」といいながらテッドは明日のアワードの授賞式に行うスピーチの準備に忙しい。積年の恨みをはらすため、今まで恨みのある人間を書き出していたのだ。

さてやっとクリスマスだ。ドゥーグルはテッドにもらったマタドールの衣装に大興奮。ミセス・ドイルへのプレゼントはなんと彼女が嫌っていたティーマスターだった。内心がっかりするミセス・ドイル。

そこへドアベルが鳴り、知らない牧師が入ってくる。まだ授賞式には早いのに、と不思議がるテッド。ものすごくフレンドリーにふるまう牧師にテッドは牧師の名前を思い出せない。ミセス・ドイルが「新しいファーザーに紹介して」というが、名前の思い出せない、かつ牧師に名前を聞くこともできないテッドは「想像して!」という。「想像?」といいながらも次々に名前を言うミセス・ドイル(このポーリン・マクリンの演技は名演!)。なんと1時間かけて名前を言い当てた。(名前の中にはヒロシマ・トゥインキーとか、音楽を担当するディヴァイン・コメディのフロントマンのニール・ハンノンなどが含まれる)その牧師の名前はトッドだというのだ。が、実はトッドはゴールデンクラリックのトロフィーを盗みにきた悪者だったのだ。

さてゴールデン・クラリックの授賞式が始まった。長々した悪口の連続のスピーチにげんなりする一同。集まった牧師たちにティーマスターでお茶を振る舞うテッド。がっかりするミセス・ドイル。TVでクリスマスのミサの中継をみながら飽きてしまい帰宅する一行。仕方なくトッドとテッドとドゥーグルの3人でテレビを見るが、全員1時間ののちに寝てしまう。

トッドがいったい誰だか全く思い出せないテッドとドゥーグル。パンツ一丁で二人のベットルームにあらわれるトッドにおののく。引き続きやたらとフレンドリーなトッド。

テッドは階下にあるトロフィーが盗まれるかと心配でたまらない。夜もふけて、トッドはミッションインポッシンブルなみの装備で天井からつらされながらトロフィーを盗もうとこころみる。一方のミセス・ドイルは秘密裏にティーマスターを壊す。ドゥーグルは怖い映画をみたくて階下に降りてきて、恐怖のあまり声をあげる。そして降りてきたテッドはトッドと遭遇し、彼が泥棒だったことを発見するのであった。警察に尋問されトッドは実は数日前にとある牧師とバーで遭遇し、そこでテッドに関するあらゆるインフォメーションをゲットし、そこから牧師館にしのびこむことを思いついた、と。さらにはその牧師を酔わせて牧師の衣装を盗んだのだと告白する。

牧師館に平和が戻ってきた。ミセス・ドイルはトッドが使った天井から釣り下がる仕掛けを利用しながら部屋の飾り付けをするのであった。そしてテッドはティー・マスターではなく、ミセス・ドイルがお茶をいれてくれた素晴らしい日々を思い出すのであった。そしてアワードを受賞しいきがっていた自分をも反省し、ドゥーグルにもこのトロフィーをもらう資格があるんだよ、と言うテッド。テッドが部屋から消えるとドゥーグルはトロフィーを授与されるかっこうをしながら自分が最終的にトロフィーを手にいれたと高笑いをするのであった・・・が、すぐにテッドにそれをたしなめられるのであった。


【スタッフ】
脚本:Arthur Mathews, Graham Linehan
演出:Declan Lowney

【出演】
Dermot Morgan (Father Ted)
Ardal O'Hanlon (Dougal Maguire)
Frank Kelly (Jack Hackert)
Pauline McLynn (Mrs. Doyle)
Tony Guilfoyle (Fr. Larry Duff)
Gerard McSorley (Fr. Todd Unctious)
Donnacha Crowley (Fr. Billy)
Neil McCaul (Fr. Terry)
 Joe Taylor ()
Kevin McKidd (Fr. Deegan)
Sean Barrett ()
Collum Galliavn (Fr. Reilly)
Andrew McCulloch (Bishop Tom McCaskill)
Brendan F. Dempsey (Fr. Dick Mayo)
Aine O'Connor (Sr. Heather Locklear)
Barry Murphy (Salesman)
Anne Gildea (Woman)
Brendan Burke (Award Ceremony Priest)
Stephen Kennedy (Award Ceremony Priest)
Conor Mullen (Award Ceremony Priest)
Paul Tylak (Award Ceremony Priest)
Tony Rohr (Drunken Priest in Bar)
Dervla Kirwan (Assumpta Fitzgerald)
Stephen Tompkinson (Fr. Peter Clifford)

クリスマスのスペシャル番組として1時間で作られた。のちに脚本家は「テッドで1時間というのは無理があったと思う。1時間の番組にするにはテッドはあまりに非現実的なドラマだ」と発言している。

このエピソードがダーモットの死(1998年2月28日)の前に放送された最後のファーザーテッドとなる。

シーンに出てくる「アイルランド1の下着売り場」は、エニスにある Dunesストアーで撮影された。

【ナイスなセリフ】
Father Jack: A pair of feckin' women's knickers!
Dougal: (クリスマスツリーのライティングに対して) Gone, back, gone, back.